飛び石によるボディやフロントガラスの傷は、安全運転をしていても避けられないトラブルのひとつです。しかし、自分で修理できる傷なのか、それとも修理業者に依頼すべきなのか、判断に迷うケースも少なくありません。

また、車両保険の利用についても慎重に検討するべきです。本記事では、傷を見つけた際の応急処置、修理方法の判断基準、車両保険を使うべきかどうかの目安などをわかりやすく解説します。

放置は危険！ 飛び石の傷を発見したらまずやるべき応急処置

飛び石による傷は、放置するとボディのサビや塗装割れ、フロントガラスのヒビ割れにつながります。早めの応急処置と正しい対処法を知っておけば、リスクを最小限に抑えられるでしょう。ここでは傷を見つけた際の応急処置や、放置すると危険な理由を解説します。

被害を広げないための応急処置

飛び石によるボディの傷を放置すると、大きなトラブルへ発展する可能性があります。修理までのつなぎとして、次の3つの手順で応急処置を行いましょう。なお、あくまでも応急処置なので、早めに修理を検討しましょう。

①傷を洗浄する
泥や汚れを優しく洗い流し、異物を残さないようにします。

②十分に乾燥させる
水分が残るとサビの原因となるため、完全に乾かしてください。

③保護シールやテープで覆う
傷口を保護し、これ以上の劣化を防ぎます。

なぜ放置は危険？ボディやガラスの傷が招くリスク

・ボディが腐食する可能性がある
塗装下の金属部分まで傷が到達していると、水分によってサビが発生します。サビはどんどん広がるため、最初は小さい傷でも最終的には腐食や穴あきにつながる危険性があります。

・フロントガラスのヒビが広がる可能性がある
小さなヒビでも、走行中の振動や車内外の温度差によって一気に広がるおそれがあります。ヒビが大きくなると修理できなくなり、ガラス交換が必要になるケースも少なくありません。視界不良による事故リスクも高まるため、早めの対処が欠かせません。

飛び石が発生しやすい状況

高速道路での走行中や、前走車が大型トラックの場合、飛び石が発生しやすくなります。また、スタッドレス装着車が増える冬期（11〜3月）も要注意です。スタッドレスタイヤは通常のタイヤよりも溝が深く、小石を挟みやすいためです。雪が降り積もっていない時期だと、飛び石が起こる可能性はさらに高くなります。

フロントガラスの傷は車検に通らない場合がある

車検では、フロントガラスの強度とドライバーの視界確保が厳しくチェックされます。傷やヒビが「安全上問題あり」と判断されると、車検に通らなくなるおそれがあります。修理や交換には時間がかかるため、車検前に早めに整備しておきましょう。

飛び石傷の修理方法はどう判断する？ボディとガラスの見極め基準

飛び石傷は、深さや場所によって修理方法が大きく変わります。浅い傷ならDIY補修で対応できますが、深い傷やガラスのヒビは専門業者への依頼が必要です。ここでは修理方法の判断基準を解説します。

ボディの傷は、爪がひっかかるかどうかで判断する

クルマのボディは透明なクリア層で保護されています。このクリア層に浅く入った傷であれば、DIYで補修できるケースが多いです。一方、次のような場合はクリア層を超えて塗装面に達している可能性があります。

• 濡れたタオルで拭いても傷が消えない
• 爪を軽く当てて引っかかる
• 傷口から銀色の金属部が見えている

このような傷は放置するとサビの原因になるため、専門業者への修理依頼をおすすめします。また、場合によってはプロテクションフィルムを施工することで傷が目立たなくなることもあります。飛び石被害を防ぐ予防策としても有効です。

フロントガラスの傷は、サイズと場所で判断する

500円玉よりもサイズが小さかったり、ガラスの端から10cm以上離れていたりする傷は補修できる場合があります。逆に、500円玉より大きい傷や、運転席の視界にある傷はガラス交換が必要になる場合があります。また、線形や波打つような形で広範囲にヒビが入ってしまった場合もガラス交換が必要になります。

DIYで飛び石傷を補修する方法

飛び石でできた浅い傷であれば、DIYでの補修も可能です。とくにクリア層の傷は、タッチペンやコンパウンドを使うことである程度目立たなくできます。ここでは、タッチペン補修の手順をわかりやすく解説します。

タッチペン補修の基本手順

タッチペンで傷を補修する際は、クルマのボディカラーに合った製品を選びましょう。また、傷の太さに合わせてペン先の太さが適したものを選ぶと、仕上がりがきれいになります。タッチペン補修の手順は以下のとおりです。

1. 傷の汚れを洗い落とし、シリコンオフで脱脂する
2. 傷の周囲をマスキングテープで保護する
3. タッチペンで傷口に少量ずつ塗料を埋めていく
4. 乾燥させてから塗り重ねる（7〜8回繰り返す）
5. 1週間ほど自然乾燥させる
6. 耐水ペーパーで傷口が平らになるまで磨く
7. 表面をコンパウンドで研磨して仕上げる

専門業者に依頼して修理する方法

飛び石による傷を確実に直したい方は、専門業者への依頼がおすすめです。業者によって費用や仕上がりの品質が異なるため「どこに依頼するか」が重要なポイントになります。主な選択肢はカーディーラー・整備工場・カー用品店の3つです。それぞれの特徴や費用相場を把握しておくことで、希望に合った修理先を選べるようになります。

カーディーラー

ボディの傷を修理する際の費用相場は 20,000〜50,000円程度。純正塗料や専用設備を使用するため、色味の再現性や仕上がりを重視する方に向いています。フロントガラスの修理相場は20,000〜30,000円が一般的です。

カーディーラー独自の保証が付いている場合、無償で修理に応じてくれることもあります。ただし、修理作業を外注しているケースも多く、納期が長くなる可能性がある点には注意が必要です。

整備工場

ボディの修理費用は15,000〜40,000円が一般的です。また、フロントガラスを修理する際の相場は10,000〜20,000円と比較的リーズナブル。地域密着型の整備工場であれば、価格交渉や修理方法の相談に柔軟に対応してくれることが多いです。一方で、工場によって技術レベルやサービスの質に差があるため、口コミや実績の確認が欠かせません。

カー用品店

整備工場同様、カーディーラーよりも費用を抑えやすいのが特徴です。ボディ修理の相場は10,000〜40,000円程度が目安となります。また、フロントガラスを修理する際の費用相場は10,000〜20,000円です。

正規品のみを扱うカーディーラーと違い、選べる部品の種類が多い点もメリットといえるでしょう。浅い傷であればスピーディーに対応してくれますが、広範囲に渡る傷には対応できない場合があります。

飛び石による傷の修理で車両保険は使うべき？

飛び石による傷やヒビ割れは、車両保険の補償対象となるケースが多く、修理費を抑えられる可能性があります。しかし、翌年の等級に影響することもあるので、慎重に利用するべきです。ここでは、傷の修理で車両保険を利用する際の注意点や、飛び石を防ぐための対策について解説します。

車両保険の適用範囲と免責金額の確認

飛び石は「飛来中・落下中の他物との衝突」とみなされ、一般型・エコノミー型の車両保険で補償される可能性が高いです。しかし、契約内容に免責事項が設定されている場合は、修理代の全額が戻らない場合もあります。補償範囲や支払われる金額の目安については修理前に確認しておきましょう。

保険を使うと損？等級ダウンと保険料アップの仕組み

車両保険を使って修理すると、翌年度の等級は1等級ダウンする可能性があります。等級が下がると保険料が上がるため、軽微な修理なら保険を使わないほうが結果的に得になる場合も多いです。保険を使うかどうか迷ったら、修理見積もりと翌年の保険料を比較して判断しましょう。

飛び石の傷を未然に防ぐ方法

日ごろの対策によって、飛び石によるリスクはある程度軽減できます。愛車を長く大切に乗り続けるためにも、次の予防策を実践することをおすすめします。

安全運転を意識する

飛び石の被害を避けるためには、普段から安全運転を心がけることが大切です。例えば、①十分な車間距離をとる②大型車の後ろを避ける③スピードを出しすぎない、といった予防策で愛車を飛び石から守りましょう。

ガラスコーティングをする

ガラスコーティングを施工することで、ボディを小さな傷や汚れから保護できます。しかし、施工費用は30,000〜100,000円以上と比較的高めに設定されています。飛び石の傷を完全に防げるわけではないため、過度の期待は禁物です。

プロテクションフィルムを貼る

プロテクションフィルムでボディやフロントガラスを直接保護するのも有効です。クルマの資産価値を守る意味でも大きな効果があり、クルマの美観を維持したい方はおすすめです。

プロテクションフィルムのメリット

プロテクションフィルムは、ボディやフロントガラスを守る効果的な保護手段です。見た目を変えずに愛車を守れるため、近年では多くのオーナーから支持されています。ここでは、プロテクションフィルムを施工するメリットを紹介します。

傷を自己修復し、色あせも抑制するプロテクションフィルム

• 厚み150μm（ミクロン）の被膜が、ボディやフロントガラスを物理的ダメージからガードします。
• 透明なポリウレタン素材なので、クルマに貼っても見かけはほとんど変わりません。
• 柔軟性に優れているため、曲面の多いパーツにも施工可能です。
• 最新のプロテクションフィルムは一定の温度を上回ると自己修復します。
• 紫外線カット率が非常に高く、ボディの色あせを抑える効果が期待できます。

プロテクションフィルムの施工ならスマート・カーサービス

安全運転を心がけていても、飛び石による被害を完全に防ぐことはできません。だからこそ、ボディやフロントガラスを保護する対策が重要になります。プロテクションフィルムは、クルマの外観を長期間に渡り維持できることから、近年多くのオーナーに採用されています。飛び石対策としてプロテクションフィルムを検討している方は、専門技術と品質に定評のあるスマート・カーサービスにぜひご相談ください。