その他
飛び石でついたボンネットの傷は放置すると危険?判断基準や修理費用の相場、修理方法を解説
ボンネットへの飛び石は、どれだけ気をつけて運転していても完全には避けられません。小さな傷でも放置すると、サビや大きな修理につながることもあります。本記事では、傷の深さによる対処法やDIY補修の手順、業者に依頼した際の価格相場、さらに飛び石被害を減らすための予防策まで分かりやすく解説します。
目次
ボンネットに傷がつく原因
「気づかないうちにボンネットに小さな傷がついていた…」。そんな経験をしたことがあるオーナーは少なくないでしょう。こうしたケースは飛び石をはじめとする、様々な外的要因によるものです。ここでは、代表的な原因を解説します。
原因は飛び石だけじゃない
ボンネットに傷がつく要因は、前走車が巻き上げた飛び石だけではありません。猫などの動物によるひっかき傷、洗車時の摩擦、雪や雹が落ちた際のへこみ、鍵や金属製キーホルダーが擦れた際の線傷、いたずらなど、日常のあらゆる場面で傷がつく可能性があります。
飛び石による傷を放置してはいけない理由
ボンネットの小さな傷は美観を損なうだけで、走行に支障がないように思えます。しかし、放置すると思わぬトラブルにつながることがあります。ここでは、ボンネットの傷が招くリスクと、早めに対処すべき理由を解説します。
小さな傷が大きなトラブルを招く
ボンネットにできた小さな傷によって、塗装が剥がれて下地の鉄板が露出してしまうことがあります。そのまま放置しておくと水分や汚れが侵入し、内部でサビが広がる原因になります。サビは塗装のさらなる剥離や車体の腐食を招き、最終的には穴が開いてしまうケースも珍しくありません。そうなると大掛かりな修理が必要になるため、早めの対処が重要です。
小さな傷の補修方法として、ペイントプロテクションフィルム(PPF)を施工する方法もあります。ほとんど違和感のない仕上がりになりますが、将来ペイントプロテクションフィルムを剥がす際には傷周辺の塗装も一緒に剥がれる点を理解しておきましょう。
飛び石による傷の程度を見極める判断基準
飛び石の傷は、深さによっては放置すると悪化し、修理費が大きく跳ね上がることもあります。まずは、傷がどの程度のものなのかを正しく見極めることが大切です。ここでは、自分で判断するためのポイントを解説します。
塗装の3層構造と傷の深さ
車の塗装は、表面から「クリア層」「カラー層」「下地層」の3層で構成されています。どの層まで傷が達しているかで、適切な修理方法が変わります。
クリア層のみの傷であれば、ポリッシャーで磨くことで目立たなくなる可能性が高いです。傷がカラー層まで達していると、ボディと同じ色でタッチアップ(色差し)する必要があります。下地層に達した傷はタッチアップでは綺麗に補修できないので、修理業者への依頼がおすすめです。
DIYで補修が可能な傷の基準
水で濡らすと見えなくなる程度の浅い傷や、へこみがない1mm以下の細い傷は、DIY補修で対応できる場合があります。脱脂したのちコンパウンドで軽く研磨すれば、目立たなくすることができます。
ただし、コンパウンドによる補修は傷を「埋める」のではなく、周囲の塗装を削って均す方法のため、削りすぎないよう最小限の範囲で作業しましょう。
業者への依頼が必須となる傷の基準
へこみを伴う傷、1mm以上の深い傷、塗装が剥がれて下地の鉄板が見えている傷は、サビが広がるリスクが高く、DIYでは対処できません。これらの損傷は、板金塗装を含む専門業者への依頼が必須と考えましょう。
ボンネットについた飛び石の傷をDIY補修する手順
軽度の傷であればDIYでも十分に目立たなくできます。ただし、正しい手順を踏まないと逆に傷を広げてしまうこともあるので要注意です。ここでは、初心者でも安全に作業できるよう、必要な道具と具体的な工程を紹介します。
DIY補修に必要なアイテムと工程
市販されている補修キットなどを使えば、DIYでも小さな傷を目立ちにくくすることができます。以下が一般的な補修の流れです。
- #600の耐水ペーパーで傷の周辺を軽く荒らし、ペイントの密着性を高める
- シリコンオフシートなどで脱脂し、タッチアップペイントを薄く重ね塗りして十分に乾燥させる
- 余分なペイントを鉄粉除去用の粘土(水で濡らして使用)またはシリコンオフシートで優しく取り除く
- 補修部分を#1000~#1200の耐水ペーパーで軽く磨く。その後、#2000、#3000といった具合に目を細かくしていき、タッチアップ部分と周囲の塗装を均一に整える
- 補修部分の境目が滑らかになったら「3Mウルトラフィーナ」のような微粒子コンパウンドで仕上げ磨きをする
セルフ補修の注意点と限界
DIY補修で対処できるのは、あくまで浅い傷や小さな傷のみです。深い傷や広範囲のダメージに補修キットで対応しようとすると、かえって塗装を削りすぎて状態を悪化させ、結果的に再修理につながることがあります。特にサンドペーパーは扱いを誤ると、クリア層を超えてカラー層まで削ってしまうおそれがあります。
ボンネット傷の修理はどこに依頼すればいい?
飛び石で深い傷がついた場合は「どこに修理を頼むべきか」を早めに判断することが大切です。しかし、カーディーラー、ガソリンスタンド、板金塗装工場などの修理業者によって、施工の仕上がりや費用も様々です。ここでは、それぞれの特徴を比較しながら、依頼先を見極めるポイントを解説します。
修理業者ごとの特徴と選び方
カーディーラー:仕上がりの品質が高く、メーカー基準の純正部品を使うため安心感があります。保証や安全性を重視したい、という方はディーラーがおすすめです。ただし、純正部品の使用や中間マージンが発生するため費用が高額になる可能性が高いです。
ガソリンスタンド/カーショップ:気軽に利用でき、比較的安価かつ短時間の修理が可能です。軽度の傷を急ぎで直したいときなどに活用できます。しかし、深い傷やへこみなど重度の修理は断られることもあり、対応できる範囲には限界があります。
板金塗装工場:費用を抑えつつ、一定水準を超えるクオリティを期待できるのが魅力です。費用と品質のバランスを重視したい人に向いています。業者によって技術力に差があるため、評判や実績を事前確認することが大切です。
カーディテーリング店:専門技術者が在籍している店舗や、板金工場などと提携している店舗であれば修理を依頼できる場合があります。すでにコーティングやペイントプロテクションフィルムを施工しているクルマの外装を一貫して任せたい人におすすめです。
ボンネットについた傷の修理費用
傷の状態によってボンネットの修理方法は大きく変わります。それに伴って、修理費用も増減します。費用の目安を知っておくことで、適切な修理方法や依頼先を判断しやすくなります。
傷の種類ごとのおおよその費用目安
擦り傷程度の浅い傷から、へこみや下地が見える深刻な傷まで、ボンネット修理の費用は状況によって多様です。特に深い傷は板金修理が必要となり、修理期間も長くなる傾向にあります。さらに特殊塗装の車や輸入車の場合は、塗装の再現性や部品代の関係で費用が高額になりやすいため注意が必要です。
浅い擦り傷:5,000円〜5万円程度
軽度でクリア層のみの傷なら研磨で対応可能です。範囲が広いと費用が上がります。
へこみ傷(デントリペア):1万〜4万円程度
へこみを裏から押し出すデントリペアを利用するのも選択肢の一つです。小さなへこみであれば、数分程度で作業が完了します。
板金塗装が必要な傷:3万〜10万円以上
下地が見えている、塗装が剝がれている、形状が歪んでいるなどの場合は板金塗装が必須です。色合わせが難しいクルマや特殊塗装はさらに高額になることもあります。
パーツ交換:5万〜15万円以上
損傷が大きい場合、ボンネットを交換する必要があり、その場合は費用が跳ね上がります。しかし、補修するよりもコストを抑えられるケースもあるので、修理業者とよく相談しましょう。
飛び石の被害を避けるための予防策
飛び石は思わぬタイミングで起こります。完全に防ぐことは難しいものの、日頃の工夫でリスクを大幅に下げることができます。走行環境やメンテナンス方法を見直すだけでも、愛車を長く綺麗に保てるので、ぜひ実践してみてください。
安全運転に努める
飛び石は、前走車のタイヤが小石を巻き上げることで発生するため、安全運転が最大の予防策となります。特に高速道路では飛び石の発生率が高く、時速100kmで走行する場合は100m以上の車間距離を保つのが理想です。
また、スポーツカーのように高速で加速するクルマや、大型トラックのように大きなタイヤを備えたクルマの後ろは、飛び石が発生しやすいので注意してください。追い越される際にも同様の危険があるため、可能な限り距離を取るよう心がけましょう。
ガラスコーティングを施す
ガラスコーティングを施工することで、塗装面に硬い被膜が形成され、日常的な汚れや細かな擦り傷からボンネットを保護できます。しかし、施工費用は3万〜10万円以上と比較的高めになります。また、飛び石の傷を完全に防げるわけではないため、過度に期待しすぎないことが大切です。
プロテクションフィルムを貼る
より強力な保護性能を求めるのであれば、プロテクションフィルムが有効です。プロテクションフィルムは約150μm(ミクロン)の厚みを持つ透明フィルムで、塗装面を物理的に覆うことで、飛び石による衝撃からボディを守ります。
コーティングよりも耐衝撃性に優れ、傷がつきにくくなるだけでなく、車の資産価値を維持しやすい点も魅力です。費用はやや高めですが、飛び石の被害を根本から抑えたい場合は検討する価値があります。
プロテクションフィルムの施工ならスマート・カーサービス
飛び石によるボンネットの傷は、放置するとサビや大きなトラブルにつながるおそれがあります。早めの対処と予防で、愛車を長く美しく保ちましょう。プロテクションフィルムの施工も予防策の一つです。施工を検討している方は、専門技術と品質に定評のあるスマート・カーサービスにぜひご相談ください。
この記事の著者
筧 知也
元々家業がカーディテーリング/板金塗装/自動車販売を営んでおり13歳からカーディテーリングの仕事を手伝っていました。2024年時点でカーディテーリングの仕事をしているのは19年目になります。
当時から車を綺麗にする仕事に憧れ、車が綺麗になることの魅力を感じ、現在では株式会社スマート・カーサービスの代表としてプロテクションフィルムとセラミックコーティング施工会社を経営しております。
経験とノウハウを最大限に活用し、今後も沢山のお客様に車が綺麗になる喜びを届けて行きます。
